雑詠Q vol.27

雑詠Q vol.27

【開催期間】
投句の締切:7月21日(土)21時
選句の締切:7月28日(土)21時

  • 総投句数:12
  • 終了日時:2018年07月21日21時00分
  • 選句に参加した投句者には1点が加算されます。
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蜜豆を並べたような戒名ね

斎藤秀雄 さん

初読、はははと笑ってしまった。戒名が達筆過ぎる文字で、または小さすぎる文字で書かれていて、黒い豆つぶみたいだ、と初めは読んだ。が、その読み(だけ)では、違和感がある。季語〈蜜豆〉は茹でた豆に蜜をかけたデザートのこと。おそらく現代では寒天や白玉団子なども必須だと思う。これに餡なども入ってしまうと傍題〈餡蜜〉になってしまうから、イメージの加減が難しい。豆を並べたような、ではなく、蜜豆を並べたような、と言っているのだから、ほんとうは隠喩的に・象徴的に述べているのかもしれない(「ような」と明喩を使いつつ、隠喩で述べるという技法)。うつわのなかで豆や寒天が混沌としてゆくのではなく、整頓されている(並べた)奇妙さ、が戒名にあるのかもしれない。あるいは蜜豆のうつわを、複数並べたものをイメージすればよいのかもしれない。もちろんそこまでいくと、なにをイメージしたことになるのか、分からなくなり、複雑さに襲われる。〈並べた〉といいつつ、提示している詩情は、混沌とした、ごてっとした蜜の甘さのようなものなのかもしれない。それでいて、さらりとした詠みぶりで、爽やかささえある、不思議な一句。(2018/07/22)

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五月雨や森から生まれ来る人魚

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アロハシャツ火山灰を吸って吐く

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青田風紙ひかうきの手紙着く

クラウド坂上 さん

青田の緑と紙飛行機の白の色の対比がいい。一体どこから飛んできた紙飛行機で、何が書かれたのか。何となく小さな子が親に当ててて書いた手紙を想像している。根拠はないけれど。(2018/07/23)

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駅ごとに無賃乗車の炎帝が

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十数え夏影送る空の青

青海也緒 さん

ちいちゃんのかげおくりを思いました。きれいな景です。(2018/07/22)

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寝る子らの蠕動しづか夏旺ん

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経管栄養下げたる月見かな

八馬星 さん

病室で、栄養の入った袋にも月明かりがキラキラ映っていることでしょう。その人はどれだけ生きられるのか。月と同じ位置へ行くことは間近なのか。それは神のみぞ知ること。(2018/07/21)

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夏草や透明なお茶ができました

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君と飲むアイスコーヒーほろ苦し

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子らのコロッケ抱えて帰路や盆支度

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地獄から逃げ出すための地獄かな

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