- 総投句数:14
- 終了日時:2018年09月15日21時00分
- 選句に参加した投句者には1点が加算されます。
1位
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14位
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斎藤秀雄 さん
この〈秋扇〉は、いままさに使われているのか、それとも役目を終えて置かれようとしているのか(あるいはすでに置かれたのか)。もし〈徒歩二分のバベル傾い〉だ理由が、熱による大気のゆらめき(かげろう)にあるなら、まさに使われている(使われようとしている)ということにもなる(この読みが素直なのかもしれない)。けれど、このバベルの塔もまた、とても大きなものの喩のように思えて、傾いだまま揺らがないような感触もある。と同時に、コンビニや銭湯のようなこじんまりとしたものの喩のようにも思え、そうすると揺らぐ。〈徒歩二分〉だとイオンなどではないだろうし(車でないと行けない)。喩として読むのも誤りのような感じもあって、近所のバベルの塔がいままさに崩壊しようとしているところなのかもしれない。まさに言語の混乱の現場、価値観の混在の場に、たった〈徒歩二分〉も歩けば行き当たる、と(喩として)読めば、俳味のある社会詠としての読みも可能。さまざなま読みが可能で、複数の像がセル画のように重なり合って、揺らいでいる。その揺らぎの中で、〈秋扇〉は扇ぐ役目を取り戻して手に取られたり、畳に置かれて「捨扇」になったり、こちらも揺らぐ。この揺らぎを楽しむ句のように思った。これらの複数のセルがを束ねるのが、扇の要なのかもしれない。(2018/09/16)