句会エスプレッソ 36杯目「霜夜」or「字題【服】」

句会エスプレッソ 36杯目「霜夜」or「字題【服】」

お題:「霜夜」or「字題【服】」

【開催期間】
投句の締切:2019/01/19 21:00
選句の締切:2019/01/26 21:00

冬のボツ句祭りも同時開催中です。

  • 総投句数:15
  • 終了日時:2019年01月19日21時00分
  • 選句に参加した投句者には1点が加算されます。
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はじめからない失くしもの霜夜かな

八馬星 さん

「はじめからない」ものが「失くしもの」というこのパラドックスがなんともいえない面白さ。そこに霜というわずかなものが生じている夜。生じているこの霜もここに「在る」ものなのか。哲学的一句。(2019/01/19)

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4

服毒や先だけ齧る冬莓

斎藤秀雄 さん

上五の「服毒や」だけでも魅力的。ギリシャ語「ファルマコン」は、「薬」と「毒」の両方を意味した両義的な言葉(もうひとつ「生贄の山羊」も意味するらしい)。「毒」という言葉には、両面価値的な、魔術的なニュアンスがあるのだろうと思う。苺を食べること=服毒、ではないだろうけれど、「先だけ齧る」とすることで、苺の象徴的な危うさが強調される。苺はいまや一年中食べることができるのだろうけれど、冬の苺というと、クリスマスケーキを想起する。きらびやかで明るいイメージのクリスマスケーキの苺も、裏を返せば毒々しいまでに鮮やかな赤色なのだろう。またここから、性的な連想をすることも許されるだろうと思う。(2019/01/26)

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4

ものおとのなくて霜夜のみづを飲む

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霜の夜や祖母の従軍看護服

4
3

霜夜のアンテナとして服のない子

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服毒の著者がそのまま焚火へと

6
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しんとして独り目覚むる霜夜かな

6
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傘ぬれず長靴ぬれる霜夜かな

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服薬を忘れた父とストーブに

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九天の星降りくるごとき霜夜かな

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コンビニに入浴剤のある霜夜

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霜夜って言うほど季節ない国で

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鈍痛と霜夜をネコでやりすごす

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懐中へ収まらぬ手や冬の服

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眠られず本は霜夜に繋がれて

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