雑詠Q vol.31

雑詠Q vol.31

【開催期間】
投句の締切:2019/03/02 21:00
選句の締切:2019/03/09 21:00

  • 総投句数:13
  • 終了日時:2019年03月02日21時00分
  • 選句に参加した投句者には1点が加算されます。
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白梅や国籍問わぬオルゴール

2
4

黄梅よ仮病の旅のどこまでも

3
3

胸痛の次に吸い込む冬銀河

文月さな女 さん

自分自身でしか感じられない「胸痛」に作者の孤独や不安感が伝わってきます。それに苛まれながらも夜空を見上げると、自分自身の存在のなんと小さなこと。大きく息を吸い込むと澄んで美しい冬の大三角形などの星々は、すうっと胸の痛みを癒してくれる即効薬になったのでしょう。
私も全天の冬銀河に癒されたくなりました。
(2019/03/03)

4
2

春寒し便器の脇に嘔吐して

4
2

校名の入ったリュック春の夕

4
2

掛け直す鍋のアサリを殺すから

八馬星 さん

ズレている鍋をかけ直す…調理として当たり前のことですが、それを「アサリを殺すから」とあらためて説明しているのがこの句のブラックな面白さ。(2019/03/04)

4
2

晴れといひつつ晴れならぬ春の街

斎藤秀雄 さん

否定をうまく使っている点、「そういうことってよくある!」(天気予報では晴れと言っていたのに……)と共感を誘う点が、こなれた言い回しで一句にまとまっていて、技術的に優れた句だと思う。とはいえ、うまいなー、だけで選んだとなると(なぜだか)悔しいので、もう少し読んでみると、「春」の語源にはいくつか説があるが、そのうちのひとつに気候が「晴れる(晴る)」ことからきた、というものがある。下五の「春」を、「晴る」の意味でとるなら、これが上五に循環して、「春(晴る)といいながらもちっとも晴れていない」と述べていることになるかもしれないし、もっと読めば「春といいながら春ではない(そんな春の街)」という自己言及的に自己否定する文にも読める。とはいえ、「晴れ」「晴れ」と二度言い、否定は「ぬ」の1音だけ、という作りから見ると、いかに「晴れる」ことを待望しているのか、という春めいた期待感に満ちたニュアンスが、一句にこもっていると読むのが無難だろうと思う。(2019/03/09)

4
2

はくれむの蕾のわつと寺の朝

4
2

春苺咥へ回転扉かな

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1

鼻血跡シャツに認めて梅一輪

10
1

三月や車掌のまつげカールして

10
1

春日和スーツの光る高三よ

13
0

自分が沈んでいく沼地を見ている

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